
私たち人間の身体は、重力に逆らった二足直立姿勢をとっています。最上位にある頭部の重心から、頚椎→胸椎→腰椎といった身体の脊柱の中心に重心が乗り、バランスを取っています。このような人体のバランスを保つために非常に大きな役割を果たしているものの一つに、実は噛み合わせがあります。
例えば家のような構造物を考えてみてください。
もしも構造物を支える柱が全てバラバラな長さだったとしたらどうなるでしょうか?しかもその柱が垂直では無く、少しづつ傾いていたとしたら・・・?
その構造物はきっと傾き、重さや揺れに対して致命的な程の弱さを露呈するはずです。
人体は構造物とは違い、複雑に運動を続け、姿勢を変え続けます。そんな人体を支えるには、構造物とは比べ物にならない程の類稀な調整力を持った強靭な柱が必要です。耐久性、調整力を併せ持った人体の柱、それが骨格であり筋肉なのです。

骨と骨は可動性を得る為に関節によって連結され、筋肉によって支えられています。これらの制御は脳による判断と指令、神経の伝達によって行われます。
ところがこの中で一箇所だけ特殊な部位があります。2足直立姿勢の最上部にあり、約5キロもある頭部の重心を調節している上あごと下あごの歯列の接触関係です。上あごと下あごは上下合わさった全体で「一つの特殊な関節」と呼ぶことができます。食物の入り口として、開口したり噛み砕くために上下に動いたりする役割の他に、もう一つ重要な役割を担っているのです。
それが姿勢のコントロール。
実は私たち人間は下あごの位置をズラす事によって大きく姿勢をコントロールしているのです。運動や姿勢の変化に合わせ、噛み合う位置を微妙に変化させ必要な姿勢を支えるのが、噛み合わせの持つ重要な役割だと言えるのです。

噛み合わせが悪くなると身体にどのような変化が生まれるのでしょうか?
左の図を見てください。これは正常な状態と、噛み合わせが合わない事によりあご部分が右に傾斜した場合の身体のバランスを表しています。
この例では下あごがわずかに数ミリ左にズレた噛み合わせによってあご全体が右に傾斜し、その為に頭部の重心がほんの少し右にズレた状態になっています。人体はバランスが崩れるとそれを元に戻そうとするので、ズレた重心とは反対方向へと首が傾いています。
重心が身体の中心にある事で人間は直立していますので、そのズレた重心を中心に持ってこようと
頚椎・肩・背骨・腰・足
などが反射的に歪んで防御姿勢を取っているのが分かるでしょうか?
この状態は人体に多大なストレスと悪影響を与えます。
これを改善する為には、ズレの原因=すなわち噛みあわせのズレを正しい状態に戻さなければ解決しないのです。
●首・肩・背中のコリや痛み ●腕の痛み・しびれ ●内蔵全般の不調 ●便秘
●冷え性 ●猫背 ●腰痛 ●視力低下 ●睡眠時無呼吸症候群
●(女性の場合)生理痛・生理不順 など
●集中力の低下 ●イライラしやすくなる ●欝 ●無気力
●他人に対して攻撃的になる ●引きこもる など

バランスのズレによって背骨が曲ってしまった状態のことを脊柱側彎症と言います。これを直す治療法としては整形外科などでおこなう牽引療法が一般的ですが、脊柱側彎症がなぜ起こっているのかの原因を正しく捉えなければ、治るものも治らないのです。
もしも脊柱側彎症が噛み合わせのズレによるものであれば、いくら牽引療法を行なって一時的に改善したとしても、原因に引っ張り返されてすぐに曲ってしまいます。仮に身体の不調の原因が背骨の歪みにあったとしても、その歪みの原因が何なのかを正しく解明しなければ、どんな治療法も効果を発揮しません。
そして脊柱側彎症のほとんどの要因は
「噛み合わせのズレ
⇒ 下あご位置の偏位
⇒ 頭部の重心の偏位
⇒ 脊柱側彎症」
という因果関係で起きている事実を考えると、正しい噛み合わせにするという事は本当に大きな意味を持っている訳です。
虫歯や歯周病によって乳歯や永久歯を失ってしまった場合、その両側の歯が次第に空いた所に移動したり傾斜します。また乳歯の虫歯を放置するとその下にある永久歯も虫歯の影響を受けて、歯並びが悪くなる原因となります。
食習慣の変化により柔らかい食事が増えました。その為、噛む回数が減りあごが充分に発達しない事も。あごの骨が発達しないまま歯が成長すると歯が並ぶスペースが少なくなり、叢生(そうせい)となるケースがあります。
なんらかの病気で歯の本数が足りない、アレルギー性鼻炎などによって鼻呼吸が出来ずに口呼吸だけをする、といった事が原因で不正咬合になる場合があります。
ご両親が「出っ歯」だとお子さまも「出っ歯」になることがあると言われます。子の体格や顔が親に似るのと同じで、歯並びも遺伝を受ける事があります。

いわゆる「出っ歯」といわれるもので「下顎遠心咬合(かがくえんしんこうごう)」とも呼ばれます。上あごの過成長、あるいは下あごが上あごより奥に引っ込んでいる状態のことです。

「受け口」といわれるもので、骨格的に下あごが大きい状態のことです。上下の前歯が、前後逆に噛んでいる「反対咬合」になる場合もあります。

奥歯をしっかり噛んでも前歯が噛み合わずに上下の歯にすき間ができてしまう噛み合わせを開咬と言います。逆に前歯を噛み合わせても奥歯が噛み合わない場合もあります。

歯が生える場所が足りなかったりして、歯がでこぼこに生えている状態の事です。八重歯も叢生の一種です。歯が正面を向かずにねじれて生えている捻転というものもあります。

噛み合わせの治療は実はどこの歯科医院でもできる訳ではありません。上下の歯の接触状態、下あごを左右に動かした時の噛み合わせチェック、下あごを前後に動かした時の噛み合わせチェック、隣り合う歯の接触の強さ、歯並び、歯の形状、咬合面の乱れ、歯の欠損など、歯科医として診断できる全ての項目のチェックに加え、顔の骨格や筋肉も考慮しなくてはなりません。
治療方法自体は、歯牙移植や矯正、インプラントやスプリントなどで行なっていきますが、単純に目に見える部分以外の場所まで正確に把握していなくてはならないので、非常に難しい治療です。
中川歯科医院では、早くから噛み合わせによる全身への影響に注目し、その治療法を確立してきました。多くの患者さまから噛み合わせの悪さからくる苦痛を取り除いております。
当ページでご説明してきた症状などお悩みの方や、お医者さまや他の歯医者さまに治療を受けても治らなかった方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの悩みが解決するきっかけになるかも知れません。

[受け付け時間]
午前 10:00~12:30 / 午後 14:00~18:30
[備考]
木曜日(▲)は11:00~12:30、14:00~18:00。
木曜日は月に一度、不定期に休診いたします。
詳しくはお問い合わせくださいませ。
祝日のある週は木曜日も通常と同じ診療時間になります。